キャンドルのワックスを型に流し込み、ボタニカル(ドライフラワー)素材をワックスの上にデザインして仕上げるインテリア。香りを同時に閉じ込めるとアロマグッズとしても楽しめます。
見た目も華やかで手軽に制作できるためちょっとしたギフトや、ご自宅のインテリア、芳香剤代わりに人気です。ブライダルのプチギフトとしてご自分で制作する方も増えています。
日々の暮らしの中に、季節ごとのお花を取り入れていくだけで日常がちょっとウキウキしたものになるはず。生活のスパイスとして一緒に楽しんでいきましょう!
こちらのコンテンツでは、特別にワックスアロマサシェの作り方ご紹介していきます。
まず制作のコツをお話しします。簡単そうに見えて品質の高いサシェを目指すためにはいくつかのコツが必要になります。ワックスの特性も多少理解して作ることが大事になります。もし、プレゼントすることをお考えであれば!ぜひ仕上がりレベルの高いワックスサシェの作り方をマスターしましょう。
1.ワックスの配合
ソイワックスは白くて乳白色がかった色味が非常に美しい特性があります。
ボタニカル素材との相性も良く、お花の色味が綺麗に引き立ちます。ただ、ソイワックスだけで制作してしまうとヒビが入りやすかったり、崩れやすかったり、あとは融点が低いため夏場は特にベトベトしたりします。
そのためおすすめは全体量に対してソイワックス30%:パラフィンワックス70%を基準に調整しましょう。夏場はもっとパラフィンの割合を高くしてもOK!パラフィン80:ソイ20のほうが硬さが出ます。
ただ、ソイを20%より下げてしまうと、ソイの乳白色感が感じなくなります。
パラフィンで制作すると少しプラスチックぽさと、代わりに透明感が出てきます。
もちろんパラフィンだけでもワックスサシェを作ることは可能です。ただ、パラフィン100%での製作は気泡や亀裂が入ってしまいますので、多少マイクロワックスをブレンドすることをお勧めします。透明感重視した仕上がりや、溶けづらいワックスサシェにしたい場合はパラフィン×マイクロワックスでもOKです。
2.ワックスの計量
割合を決めたらトータルのワックス総量をはかりましょう。目分量でワックスサシェの分量を考えるとブレンド作りが難しいですね。
そんなときは、まずサシェの型(モールド)に水を入れます。どのぐらいの厚さにしたいか。
このあたりも水を実際に入れて加減しましょう。その水の量がワックス総量となります。
ワックスサシェの仕上がる厚さに関しては薄いほうが繊細さが出ます。でも薄すぎると型から取り出すときに割れてしまう可能性があるので、目安は1.5㎝以上を基軸に調整してみましょう。
3.アロマ量
ワックスサシェは、アロマワックスサシェとして仕上げると香りも同時に楽しめる魅力が加わります。
ビタミンキャンドルでは香りに関して人工香料一切不使用、植物から抽出した精油のみを使用しています。
天然の香りを楽しめるという意味でアロマサシェは素敵なんですが一方で、難点が一つあります。
キャンドルは精油を含めると中に閉じ込めた香りが少しずつ立ち上がるんですがサシェはそうゆうわけにはいきません。精油の性質は、香りのやさしさと、揮発していくため、サシェとして利用していると1か月もしないで香りがなくなっていきます。そして仕上がりのタイミングからさほど強く香りが感じないのでお部屋の芳香剤として使用したくても物足りなさを感じる可能性はあります。
アロマを入れずにインテリアとして仕上げる、または香りをドライフラワーに継ぎ足して使っていく、または人工香料を使うといういくつかの選択肢が出てきますね。
精油をお使いであれば、狭い場所、例えば引き出しの中などは香りが密閉されて残りやすく長持ちします。ドアノブにぶら下げるよりも、クローゼットや引き出しの中で使用するほうがおすすめです。
私たちは人工香料は扱わないため今回のレッスンではささやかな香りを楽しみ、あとで継ぎ足していける作り方をご案内していきます。
ということで解説が長くなりましたがアロマを相当量入れても香りはさほど強くなりません。
目安としてワックス総量に対して1.5%~2%ぐらいで計量しましょう。
3.モールドの管理
モールド(ワックスサシェの型)はシリコン素材を使用するなら、離型材は不要です。
もし、プラスチックやアルミ製の素材をモールドとして使用する場合は、離型しやすくするためにシリコンスプレーを吹き付けて準備します。
もう一つポイントとして、型が冷えてるとワックスを流し込んだ時、表面ががたついた仕上がりになりやすいです。サシェの型をあらかじめ、ドライヤーやエンボスヒーターなどで温めておくといいでしょう。やけどするほどの熱さにする必要はなく、サシェのモールドの内側を触って熱さがあればOK!
4.ボタニカルの準備
花材は必ず生花ではなく、ドライや押し花、ブリザーブド加工されたものを使用します。
水分量がちゃんと取り切れない花材を使用すると劣化が激しかったり、ワックスの仕上がりにトラブルが出てしまいます。
今回はラベンダーをメインにした作品をイメージしてお話ししていますが他の花と組み合わせても素敵ですよね。
最初にサシェの仕上がりをイメージしてデザインを考えます。花束にしてリボンで縛った状態をワックスに融合させるなどの工夫も可能です。灯すアイテムではないので、他にもパールやラメ、パーツ類も組み合わせることもできます。ご自分のイメージする配置とお花の組み合わせを考えてみましょう。
お花の入れる順番も重要になります。ワックスに触れてない部分はさかさまにしたときに、ぽろっと取れてしまうので必ず部分的にワックスに一部浸る状態に配置できるようにしてみましょう。
ちなみに花材選びするときには、ラベンダーのように自然の芳香がするアイテムを選ぶのもポイント!精油を足す場合は、この自然の香りとケンカしない組み合わせをブレンドする工夫を。
基本、ラベンダーであればどの香りともケンカすることないのが素敵ですね。
ここまでが事前準備です!
いよいよワックスアロマサシェの制作に入っていきます!
1.ワックス総量を水で計り、ボタニカルのデザインも決めておく
★準備でお伝えしている内容を確認ください。
2.ワックスの割合を決めてソイワックスと、パラフィンワックスを別のカップに計量する
3.ソイワックスとパラフィンワックス別のカップに入れたままそれぞれ溶かす
★ここがワックスアロマサシェレベル感の違いが出るポイント!
パラフィンのほうが融点が高いためパラフィン溶けるまで一緒にソイを加熱しているとソイの状態が劣化してしまいます。ソイは低温で丁寧に溶かし、高温にならないように気を付ける。そして両方溶けたら2つのワックスを1つのビーカーに合流させます。
4.溶けたワックスを合流させたら温度を75度にする
5.アロマを適温になったらワックスに入れる
6.アロマとワックスをよく混ぜたらワックスサシェのモールドに全量流しいれる
★一度に何個か作る場合は、注いでいる間に温度が冷えてこないように、一定の温度で流しいれるのが大事です。手早く、でも表面が波打たないように丁寧に注いでいきます。
7.デザイン配置を決めておいたボタニカルをスタンバイ!約1分後に花を配置していきます。
★花びらのような埋もれやすいボタニカルと、立体感のあるボタニカルはタイミングを分けていきます。タイミングがわからない場合は薄い花びらやハーブのようなものをまず投入してみて、しばらくすると沈む場合はまだ早い状態。でもあっという間に膜が張ってくるので張る前にボタニカルを入れ終わる手早さとタイミングが必要です。
8.リボンを通す穴が必要なのに型に穴がついてない場合:ストローを短くカットしてワックスに立ててます。
★ストローの長さはモールドより4~5ミリ長いぐらい。長すぎるとグラグラしてワックスに立たないのでワックスより出てる部分が手で持てればOK。あとで抜くときに手で持てないとやりづらいです。
9.ワックスアロマサシェのワックスが完全に固まったら型から抜きましょう。
10.ストローをゆっくりねじりながら抜き取ります。
★ワックスサシェ用の型を使ってる方はこの手順は飛ばしてください。
11.リボンを装着して吊るせるようになったら完成!
★飾る場所によってはリボンや穴は不要な場合もあるのでお好みで調整してみてください。
モールドは専用のものを使用すると便利ですが持っていない場合はお家にあるいろんなものがモールドになりえるかもしれません。タッパー容器の小さめのものや、プラスチックの空容器、丸形でも四角でも、上部がつぼんでる形状じゃないこと、あとは耐熱が90度以上のものであれば色んな形の制作が楽しめちゃいます!
アルミ製のタルト型も使えますね。もし、ご自宅に使えそうなアイテムがなければ100円ショップにお出かけしてみましょう。いまはサシェ用の型として100円ショップでも販売もありますがそれ以外のケーキ作りグッズや製氷機類、タッパー容器などお料理コーナー等もチェックしてみると人とは違う作品が作れて面白いと思います。
ちなみに、アロマワックスサシェの肝にもなるアロマは、ボタニカルに直接、何滴か振りかけて香りを足していくこともできます。ただし、アロマを繰り返し染み込ませることでボタニカルは劣化しやすくなる場合があります。いづれもボタニカルは湿気に弱いため、湿度の高い季節は要注意。
長くても半年以内の賞味期限として季節ごと作り変えると良いですね。