人気が高いボタニカルキャンドル。あえてご説明するまでもないかもしれませんが、少しだけ最初に解説します。キャンドルだけに限らず、世の中にあるプロダクトとしての言葉の定義をご紹介してみようと思います。
[ボタニカル]とは・・・
Botanical=植物の
[植物の]という意味の英語です。実際この言葉で表現される商品は世の中たくさんあります。ものすごくヒットしたシャンプーに[ボタニスト]という商品もご存じあるかもしれません。このようなコスメ商品・美容商品にもボタニカルという言葉が使われています。商品によって、実際エッセンシャルオイルを一部使用しているものや自然素材を何らかの形で材料として使用しているものが多いと思います。
飲食分野にもボタニカルという言葉は使われています。いわゆるハーブ類を使って香りづけや効能を活かしている商品を開発し、その商品にボタニカルという名前や解説として使用しているなどです。
例えばお酒類、ビールやジンなどにもボタニカル活用の商品化を見かけますね。
あとはデザインだけでもボタニカルと使われています。花柄をあしらったワンピースやポーチ、シューズ、などなどアパレルデザインそのものにボタニカルというわけですね。
そして、オーガニック的な意味合いを含ませて使ってる場合もあります。
オーガニックと言う言葉も、定義があいまい且つ、難しいところで海外ではオーガニックと言える商品は無農薬で作ったものと認証されているものしか使えないイメージがある一方で、日本では自然のもの・植物素材を使ってるだけでオーガニックと名乗っているものもあります。
その類似的な言葉としてオーガニックと言わずボタニカルという表現で使われているケースもありますね。
こんな感じでかなり言葉の持つイメージが業界によって異なる印象もあるボタニカルというキーワード。世の中の流れでナチュラルなものが評価されている風潮があるからなんだろうと思います。
単純に可愛いという見た目だけでなく、効果効能的な要素も、ナチュラル押しの要素も評価されてボタニカルという言葉がたくさん使われているのかもしれません。
もちろんキャンドルの業界でも例外ではなく、とても人気です。
ボタニカルという表現をしててもキャンドルのタイプはいくつもあります。花びらやハーブ類をちりばめたデザインのもの、お花そのままの状態を閉じ込めたキャンドルもあります。お花を立体的に浮き出たように制作する3Dタイプのボタニカルキャンドルもあります。
ボタニカルキャンドルを作る立場でもデザインの幅が無限にあってわくわくしますし、購入される方からも人気があります。需要と供給のバランスがばっちりな作品ってことですね。華やかでギフトとしても需要もあります。
ではボタニカルの意味が分かってきたところで実際何が危険なのかというお話に進んでいきます。
先ほどお話ししたようにお花をデザインしていくボタニカルキャンドル。
作り方を間違えてしまうと、花に引火してしまい火災を引き起こしかねない問題があるんです。
お花素材は、基本的にドライ加工またはブリザーブド加工、押し花等にして水分を飛ばしてから制作に使用しています。そのお花がキャンドルの芯のすぐそばに配置しいてたらどうでしょう。
火を着火すると間違えなくお花にも火が乗り移ってしまいます。
こんな事例がたくさんあります。
キャンドルアーティスト[キャンドル作家]としては
インテリア利用の目的のためにより美しくして喜んでもらいたい!
売りやすい目が引きやすい商品を作りたい!
可愛い!といわれやすい商品作りたい!
インスタ映えした商品作りたい!
という理由から花をなるべく表面に飛び出して制作している
要するに、可愛いを最優先で、灯すと思わなかったから。灯したら危ないとわかるだろうと思ったから。という考えで灯したときのリスクはそっちのけなんですよね。
でも実際はどうかといえば、悲しいことにボタニカルキャンドルの火災事故はたくさん発生していて、色んなところでボタニカルキャンドルの危険性を言われ始めています。灯さないと思ってた作品も灯されているということなんですよね。
どんなに可愛くても、そのほうがたとえ売れるとしても、灯す前提でキャンドルは作らなくちゃダメなんです。それなら灯さず香りだけ楽しめるサシェとして仕上げたらいいんだと思います。
芯を入れてなければ、決して火をつけることはないでしょうから。
先ほどお伝えしたような明らかに危険が伴う作品作りではなく、それを危惧して制作しても、作り方によっては結局危険なボタニカルキャンドルになってしまう場合があるということ。
これはキャンドル作家本人はその危険性を知ってても、危険な状態があり得るというお話なんですね。
閉じ込めているボタニカルが、熱によって周囲のロウが溶けて、飛び出してきてしまったら大変です。そうならないための、芯の選び方・花の配置方法・構造的な設計がどうしても必要です。
イメージをわかりやすくお伝えしたいので一つ例をお話しすると
直径が小さい型(モールド)を使って制作すると中心の芯=火までの距離がとっても近くなりますよね。二重構造で作った外側のお花のところまで距離が近いということは、危険度も高くなるということなんです。以前に販売している方が、ボタニカルがどうしてもコスト高くて販売価格が上がってしまうから、コストを下げて低価格で売るために、小さいキャンドルを作ることにした。という方がいました。
ミニサイズでとても可愛らしいのですが、やっぱりリスク考えたら直径が小さく燃えやすくなりそうな構造でした。
そういった基本的な構造的な知識も備えいることが制作するうえでとっても大事になります。
正直、ワークショップを展開しているところでボタニカルキャンドル作りしてきた作品で火事になりかけた!という方のお話も聞いたことがあります。ワークショップで教えてもらいながら自分で作ったから大丈夫!という一致ではなく、確実に安全な製作を学んでほしいなあと思います。
ご自宅で灯す場合は、とにかく周囲に燃えるものが何もない状態で机の上をきれいにしましょう。そして、下には耐熱性の大きめのトレーまたはお皿などを敷いて目の届く場所で灯してみましょう。
これはご自分で制作したものでも、購入したものでも一緒です。
お食事の時に灯すのはおすすめですね。目の前の視界にずっと入っているので。
ヨガしてたり、瞑想してたり、映画見ているときはボタニカルキャンドルではなくコンテナキャンドルのほうが向いています。キャンドルをずっと見ている状態ではなくなってしまうからです。
ご自分で制作した場合は、何回も何回もテストをやってみてください。
芯の太さがあってるかな。
火の大きさは適切なのかな。
火が乗り移ることはないかな。
何時間燃焼した場合安全が担保されているかな。
というチェックを繰り返して安全性を確認です。
下の動画でも詳しくお話ししていますのでよかったらチェックしてみてください!
いかがでしたか。魅力的なボタニカルキャンドル作り。安全性高い状態で制作し、安全性高い状態で使用するご案内さえできれば、とても美しく、人の心をウキウキさせられることに加えて、お花を長いこと楽しむこともできます。
ご自宅で育てたお花や、プレゼントにいただいたお花をドライフラワーにしてキャンドルに閉じ込めれば生花でも楽しめ、ドライでも楽しめ、さらにキャンドルでも楽しめる!たくさんの楽しむ幅が生まれますね。
お家の中が明るくなるお花を取り入れたキャンドル作り!ぜひ楽しんでいくうえで今回の内容を抑えてみてください。ボタニカルキャンドルを、今後販売をしていきたい!というフェーズに入った方、または既に考えている方はちゃんと構造を学ぶことをお勧めしたいなーと思います。