ソイワックスは大豆由来のキャンドル用ワックスで、自然素材のため扱い方がデリケートです。
世の中一般的に主流で出ているロウは、パラフィンワックスといい、石油由来となります。
石油由来のパラフィンは、安価で安定的に原材料が手に入ります。良い面としてはほかには、パラフィンは色んなアート作品作りに向いている、透明度があり灯したときの透け感が美しい、ということも挙げられます。
一方で良くないととらえられる面としては、特徴として黒いすすが出る、キャンドル特有のにおいがすることが挙げられます。食事中に灯すのが苦手とか、ヨガ中にキャンドルを焚いてて気持ち悪くなったというお話もよく伺います。石油由来なので、敏感な方ほどそう反応があるのも当然といえますよね。
その点ソイワックスは、黒いススも出ず嫌な臭いもしないため安心して小さなお子さんがいてもご使用できます。
では具体的に制作するとどんな違いがあるか詳しくお話ししていきます。
制作するうえではソイの特性をしっかり理解していることが技術力と紐づいてきますので知識として備えていることをお勧めしています。
ソイキャンドルは灯したときにかなり低温で燃焼されます。灯すと少しずつ炎の熱でロウが解け出ますがその溶け出たロウのプールを計ると、50度前後、少し熱めのお風呂温度です。やけどしてしまうレベルの高温ではないですね。
ゆっくり低温で灯り溶けてゆき、同時にアロマがゆっくり温まり広がっていくため、このソイの性質、融点が低いというのもソイキャンドルの魅力です。吹きこぼしてしまってもやけどしないし、衣服についても熱めのお湯と石けんで洗うときれいに取れます。アロマの相性も良いということも言えます。
優しくトロッと溶けてる様子や、炎の柔らかさもソイならではで魅了される人も多いはず。
ぜひ気になる方は一般的に販売されている石油由来のロウソクと、灯し比べてみてください。
100円ショップなどで安価に販売されているもの、小さいティーライトキャンドルをまとめて市販されているもの、仏壇のロウソク、などはほぼパラフィン製品となります。
それではもう少し、キャンドル作りする方にとって必要な知識編に進んでいきましょうか。
まず大きく分けてソフトワックス[コンテナ用]とハードワックス[ピラー用]という2種類のソイワックスが存在します。入れ物に入っているタイプのキャンドルを作る際はソフトワックスを使用しましょう。もちろんハードでも制作できますが安全且つ、美しい仕上がりにするためにはソフトを使用することがおすすめです。
そして、入れ物に入ってないキャンドルを制作する際には、ハードワックス[ピラー用]を使用しましょう。ピラー用にはソフトワックスで使用するのはNGとなります。
もう一度まとめると・・・
ガラス容器などに入っているソイキャンドルを制作する場合:
ソイソフト・ハードどちらも使用できるが、仕上がりを追求するならソイソフトを使うべし!
自立しているピラーのソイキャンドルを制作する場合:
ソイハードのみ使用可能、ソフトのみで使用するのはNG!
ということになります。
さらにソフトワックスやハードワックスの中にも何種類もワックスが存在します。原産国も違うソイもあります。各メーカーにより、大きく癖が違ってくるため、そのワックスごとの癖を知ることが次に大事になってきます。
詳しくは下記で補足していきます。
前にもお話ししましたがソイワックスは非常にデリケートです。
加熱の仕方を誤ると仕上がりの状態が異なってきます。注ロウ温度が数度違うだけで目指している状態に仕上がらないことも起きます。
季節によって、湿度によって、作業しているお部屋の環境によっても仕上がりが異なってきます。
そのためにはソイの特性を理解することが極めて重要になります。わかってないと、作る都度に違う状態になり、『前回は上手くいったのに今回は上手く作れない』ということが起きてきます。
制作のコツを知れば一律、どのソイワックスでも同じに作れるかというと、それも違うんですね。ややこしいですよね。環境や季節によっても扱い方が違う、そしてワックスによっても扱い方が違うということなんです。
もし今まで独学で制作してきたけどなかなかソイキャンドルをマスターできない!
と悩んでいた方はワックスそれぞれの癖を理解することで改善箇所がわかってくるはずです。
私たちスクールではほぼ日本で手に入るすべてのワックスを一通り使いまくり、そのうえでおすすめの数社のワックスをご紹介しています。さらにそのワックスの特徴や扱い方、適切な温度をお伝えしています。そのぐらい手間や予算をかけて習得した情報=ソイワックスの特性は制作工程さえも変わってくるとても大切なポイントになるんですよね。
ご自身で癖を理解していくためにはある程度のワックスを比較検証しながらいくつか制作してみて違いを見つけていく。もちろん燃焼テストの比較もしてみる。という実験を何回も何回も制作しながら行っていくと見えてくると思います。
その比較検証する結果、制作の工程を見直す(手順や処理方法を変える)ことをやりながら良い品質につなげてみてください。